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ムッシューと歩くパリ!その③Musée du Vin

パリ
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ワイン

3つ目に連れて行ってもらったところは、ワイン美術館。

“ Musée du Vin ”

http://www.hayakoo.com/musee-du-vin-paris/

ワイン好きにはたまらない♪入場料約12ユーロの中に、試飲用のワイン1杯分の料金も含まれている。

ワインが貯蔵されている地下室“cave”をイメージした館内には、ワインを作る行程全ての歴史が展示されている。

昔の道具も展示されており、まさに骨董品である姿形に目を見張る。

ブドウ

栓抜き2

栓抜き1

グラス2

グラス

カラフェ

カップ

ワインの製法についても詳しいムッシュー。

さすがフランス人、いや、さすがムッシュー!何でも知ってるよ!!

見学の最後、小さな試飲スペースがありグラスワインを頂いた。

フランスの何が好きかと言えば、まず当然のようにワインが美味しい!そして信じられないような値段で飲める。

ワインを飲みながらムッシューは、私達にフランスで何をしたいかと改めて尋ねてくれた。

私は料理人として経験がしたい。外国人がフランスで仕事を探すのは今は難しいと言われても、どうしてもしたい何が何でもしたい。

そんな話を何度もしたような気がする。

この日もムッシューを神妙な面持ちで、易しいフランス語で話してくれた。

内容はこんな感じだった。

「今のフランスはヨーロッパの中でもとても景気が悪い。だからフランス人でさえ、仕事にありつくのは簡単ではない。そんな中フランス語も分からない外国人がやりたい仕事を選んでするということは、容易な話ではないんだよ。」

「そしてフランスにはアフリカ圏の人がたくさん働きに出てきている。彼らは国が貧しいから、自国ではなく仕事が多く給料も高いフランスに出稼ぎに来ているんだ。彼らは仕事を選ばない。お金をもらう為、雇ってくれるところの仕事は何でもやる。安い賃金で良く働く。それに彼らは自国がフランス語を公用語としているから、フランス語を問題なく理解する。」

実際にそうだった。厨房の中には必ずと言って良いほどアフリカ圏の人々がいる。

話をすれば、自国に兄弟がたくさんいるから仕送りをしているんだという若者や、一夫多妻制で全員を養う為に働いているんだという中年男性など、洗い場さんとして働く人もいれば、そこから料理人としての仕事をして更に良い給料をもらっているであろう人もたくさん出会った。

「お店はたくさんある。でも、あなたが働けるところは見つからないと思う。とても難しいことだ。」

ムッシューは優しい。でもこの件に関しては手厳しいことしか言われなかった。

それは彼の愛情だと思っているけど、当時の私にはちょっとシビアな忠告だった。

それでも信じなかった。仕事がないなんて!!こんなにたくさんのレストラン・カフェ・ブーランジェリー・パティスリーがあるこの街この国で何も経験できないまま、日本に帰るなんて。

この日の夜、ムッシューはその内容をメールにして送ってくれた。

やっぱり、仕事探しは難しいという内容、言葉もろくに分からない日本人がやりたい仕事を経験するのは難しいと書いてあった。

でも最後には“ bonne chance!! ”幸運を祈るよと締めくくってくれていた。

結局一年間を通して8つの現場を経験できた私であったが、ムッシューの苦言は今も心に良い意味で残っている。

パリで長く暮らすフランス人が見たその街の現在の状況。そしてそこに踏み入る外国人の映り方。誰もが生きていける場所ではないのだと、ムッシューは強く伝えたかったのだと感じている。

ワインを飲みながらそんな話をしたワイン美術館。ありがとうムッシュー!忘れられない時間となった。

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